CM(コンストラクションマネジメント)

健康都市活動支援機構のCM事業
これからの医療経営は、環境変化に対応する経営戦略のもと、地域が求める病院づくりを行わねばならない。一方で病院の建替えは30~40年に一度とされる大事業であり、その範囲は事業計画から設計、施工、開設準備まで多岐に及ぶ。発注者側にそうした経験や知識をもつ職員は少ないため、外部コンサルタントによる支援が有効だ。

みとよ市民病院の医療機器
病院では、医療情報システムと同時に医療機器(※)も重要な要素だ。みとよ市民病院では、株式会社医療開発研究所が大成建設株式会社と密接に連携し、医療機器を選定・導入した。プロセスとCMの役割について、同社シニアマネージャーの水島啓吾氏に話を聞いた。

みとよ市民病院の医療情報システム
病院では、電子カルテを中心とする医療情報システムが欠かせないが、建替えのタイミングでシステムの新設・更新が発生する。その際、円滑な運用開始のために重要なのが、職員の習熟に必要な準備期間の確保だ。みとよ市民病院ではどのように開院に向けた整備を行い、どのようにして工期を厳守したのか、大成建設株式会社エンジニアリング本部デジタルファシリティソリューション室室長の小野田拓也氏と同室シニアエンジニアの加藤輝彦氏に話を聞いた。

白老町立病院の建替えとCM❷
白老町の古俣副町長に続いて、CMの評価や公開プロポーザルについて政策推進課課長の冨川英孝氏に、財源確保に向けた補助金の申請状況について同課主幹の温井雅樹氏にインタビューした。また、前任者として2017年より病院改築に携わった白老町教育委員会生涯学習課長の伊藤信幸氏(前町立病院改築準備担当参事)からコメントをいただいた。

白老町立病院の建替えとCM➊
北海道白老町は当初、一般競争入札(設計・施工分離方式)での病院建替えを予定したが、工期短縮や事業費削減の観点から、デザインビルド(設計施工を一括で発注する方式)に変更し、当機構にCM業務を委託した。就任以来、財政健全化と町立病院の建替えを先導する古俣博之副町長に、これまでの経緯とCMの役割についてインタビューした。

玉野医療センターのVE
施工予定者選定の公開プレゼンテーションで優先交渉権者となったのが戸田建設株式会社だ。同社はECIの利点を生かし、ゼネコンならではのVE(バリューエンジニアリング※)を提案した。内容について、同社岡山総合営業所長の小野隆氏と広島支店技術営業課長の齊藤透氏に話を聞いた。

玉野医療センターの設計コンセプト
玉野医療センターの設計プロポーザルでは、久米・宮﨑・山陽設計共同体が最優秀提案者に選定された。設計のコンセプトについて、株式会社久米設計医療福祉設計部上席主査の渡邊雅子氏に寄稿いただいた。

玉野医療センターの建替えとCM❷
玉野医療センターは地方独立行政法人化により統合を果たし、さまざまな課題を乗り越えてきた。本稿の前半では、統合再編と地方独立行政法人化の経緯について玉野市病院事業管理課主幹の鴨田光一氏に、後半では設計者の選択からCMの導入について同課主査の谷晃次郎氏にインタビューした。

玉野医療センターの建替えとCM➊
本稿では、佐藤利雄氏(地方独立行政法人玉野医療センター理事長)をお迎えし、岩堀幸司氏(健康都市活動支援機構理事)が対談した。公立・公的病院の統合再編の動向をはじめ、玉野医療センターの経営戦略と施設整備、さらにCM導入の経緯や役割についてお話しいただいた。

病院のCM(コンストラクションマネジメント)とは
CMとは、発注者の代行者であるCMr(コンストラクションマネジャー)が、中立性を保ちつつ、計画・設計・施工の各段階において設計・施工の発注方式の検討、工程管理、品質管理、法令遵守などの各種マネジメントを行う手法を示す。CMの導入により、基本構想や基本計画を踏まえた設計・施工での最適な発注方式の採用やスケジュール・予算の超過防止が可能となる。持続可能な病院づくりに有効として総務省も推奨しているが、具体的な内容や効果が報告される機会は少ない。こうした状況を鑑み、本稿では病院再生におけるCMの役割を特集する。